閉経はいつ頃?どうやってわかるの?
2018/02/09
閉経とは、卵巣の機能が停止して排卵がおこらなくなり、月経が停止することをいいます。
この「停止すること」という表現が非常にあいまいなのですが、多くの文献では「終わる」ではなく「止まる」とされています。
これは「終わった」と定義することが難しいためだと思われますが、現状月経が来ない状態=「停止」した状態が一定以上「続いている」状態をもって閉経としています。
一般的に、最後の月経から1年経過した時をもって閉経とされていますが、この定義も多くの方に当てはまるというだけで、必ずしも絶対ではありません。
なんだか非常にあやふやで決め手に欠ける「閉経」について、調べてみました。
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閉経が起こる年齢は
閉経の年齢はおおよそ50歳と言われていますが、個人差が大きいのが特徴です。
また50歳近辺に集中しているというより、前後5年(50歳を真ん中にして10年ほど)に閉経になる方が多いようです。
早い方だと40代は始めの頃から遅い方で50代も終わりの頃までさまざまな時期に閉経を迎えます。
現在は昔に比べて食生活の栄養が豊富など肉体的には若い状態が維持されているため、閉経の年齢は上昇傾向にありますが、その反面、過度なストレスや長期的な過労状態などから若くして閉経を迎える方も多く、年齢の幅が徐々に広がりつつあります。
ちなみに、平均的な年齢よりも早くに閉経を迎えた場合、早発閉経といいます。
明確な年齢基準はありませんが、上記しました年齢の範囲より若い方で閉経を迎えた方を早発閉経としています。(日本産科婦人科学会は早発閉経の定義を43歳未満での閉経と定めています。)
最後の月経からの期間が1年で閉経と判断される理由
では、なぜ月経が無い状態が1年以上維持された場合、月経が乱れているのではなく停止していると判断されるのでしょうか?
月経が来なくなった状態が90日以上続くと無月経と定義されるのですが、無月経と診断された人の月経が再発するまでの期間は長くなるほど再発しにくくなります。
月経が無くなってから月経が再発するまでの確率は6ヶ月では20%以上ありますが、8ヶ月で10%ほどになり、10ヶ月で数%、12ヶ月では一桁にもならなくなってしまいます。
よって、最終月経から1年という期間をもって「停止」したと判断されるようです。
しかし、これもまた確率の話であり、絶対ではありません。中には数年たって再発したという事例もあります。
閉経と更年期の関係
閉経の前後5年間を更年期といいます。卵巣の機能が徐々に低下し、月経周期がばらつき始めたころから様々な症状が現れ始めます。
逆に言えば、更年期の症状が現れ始めたら、閉経が近い(5年ほど)と考えて差し支えないと思います。
更年期の症状例
・月経の乱れ
(周期の変化や出血量の変化など)
・主に自律神経に関連するもの
(のぼせ、ほてり、発汗、冷え、動悸、めまい、頭痛、肩こり、疲れやすいなど)
・主に精神状態に関連するもの
(イライラ、落ち込み、情緒不安定、抑うつ、怒りっぽいなど)
・その他症状
(腰痛、関節痛、食欲不振、皮膚の乾燥、痒み、頻尿など)
特に、月経の乱れが最初に現れやすい症状だと言われています。ですが、月経不順はストレスや体調不良などでも起こりやすいので、つい見逃されてしまいがちです。
月経の乱れとは
正常な月経の周期、期間、経血量は以下のとおりです
・周期 :25~38日間のサイクル
・期間 :3~7日
・経血量 :極端に多すぎたり少なすぎたりしない
経血量に関しては、個人差が激しいですし、月経初日からの日数によっても変化しますが、異常なほどに少ない、または多い(もしくはレバーっぽい血の塊が出るなど)時が異常だと思っていただければ大丈夫です。
ちなみに、月経の正常周期については、毎回同じ日数のサイクルでなくても大丈夫です。
この25~38日までの範囲にはいっている場合、変動があっても正常な状態です。
月経の乱れが病気によるものの場合は、一定の法則があるのですが、閉経に向けての生理不順は全ての症状が現れることが多いです。
例えば、周期や期間が長くなったり短くなったり、また経血量も増えたと思ったら急にものすごく少なくなったりします。
閉経を正確に判断するには
残念ながら、閉経したという明確な判定をすることは難しいです。ですが、以下のような方法で閉経であろうという判断は可能だと思われます。
病院で行えるチェック
・ホルモン値検査(血液検査) →更年期の検査や不妊の検査の内容とほぼ同じ
・ FSH検査(卵胞刺激ホルモンの値 →高いと閉経の可能性あり)
・E2検査(エストロゲンの値 →低いと閉経の可能性あり)
・LH検査(黄体形成ホルモンの値 →高いと閉経の可能性あり)
・AMH検査(抗ミューラー管ホルモンの値 → 低いと閉経の可能性あり)
・膣内PHバランス検査 → 中性に近づいてくると閉経の可能性あり
自宅で行えるチェック
・無月経の期間を確認する →最終月経から1年以上が目安
・排卵検査を行う →無月経期間と合わせて、排卵の確認をしてみる
・基礎体温を確認する →高温期が短い、全く来ないなど、体温の変化を確認
どのチェック方法も一つでは他の病気などの症状とも考えされますが、いくつもの条件が重なるようであれば閉経と判断できると思います。
閉経の年齢と関係があるもの、ないもの
閉経の年齢は個人差が大きいのですが、何かしらの関連性は無いのでしょうか?よく聞く話としては「初潮」の時期や「妊娠・出産」の有無が関係するというものがあります。
これについて調べてみましたが、はっきりした関連性は無いようです。
では、どういったことが関係してくるのでしょうか?
閉経が速くなりがちな人
・不妊治療の経験がある人
(治療により卵子の減少や老化速度がはやまりやすいため)
・子宮内膜症の手術をした人
(手術の影響で卵巣の機能が低下しやすいため)
・抗がん剤治療の経験がある人
(正常な細胞にもダメージがあるため)
・血流が悪い人、悪くなる習慣がある人。例:喫煙やストレス、睡眠不足など
(卵子や卵巣の老化を早めるため)
閉経が遅くなりがちな人
・月経量が多い人
(女性ホルモンであるエストロゲンの恩恵を多く受けとれるため)
・血流の良い人、良くなる習慣がある人。例:バランスの良い食事、規則正しい生活など
(卵子や卵巣の老化を遅らせるため)
こうして見てみると、女性に冷えが大敵と言われる理由がとても正しいとわかりますね。治療のために卵子や卵巣がダメージを受けるのは、仕方がないことではありますが、日々の生活や習慣によってダメージを増やすことも減らすことも出来るようです。
日々の生活を見直して出来るだけ良い状態を保てるといいですね。
閉経の年齢は予測できない?
閉経の早くなる要因、遅くなる要因は分かったけれども、閉経の年齢は予測できないのでしょうか。
自分の状態から判断するには、やはり閉経が近づくことによって出てくる症状などから予測することになります。でも、それではもうすでに閉経が始まりつつある年齢でしか分かりません。もう少し早く予測できないのでしょうか。
実は、唯一他の人の状態から、ある程度の予測をすることが可能です。それは誰かといいますと、「実母」です。
親子のそれも同性、当たり前の事ですが母親から頂いた遺伝子の影響を強く受け継いでいることが多いので、実母の状態が参考値になっている事が多いです。閉経の年齢だけでなく、初潮や月経時の症状、更年期の症状なども似ていることが多いようです。機会があれば、ぜひ母親に話を聞いてみてください。
閉経がなかなか来ないのだけど…
では、閉経がなかなか来ない人は、とても健康的で素晴らしい状態なのでしょうか?
実は、あまりに閉経が遅い状態を「遅発閉経」といい、乳がんや、子宮体がんのリスクを高めてしまうと言われています。
目安の年齢は55歳以上とされていますので、その年齢を超えても順調に月経がある場合は、一度婦人科で検査をしていただくか、定期的に乳がんや、子宮体がんの定期検査を受けことをお勧めします。
遅発閉経の検査では、子宮筋腫の有無をまず確認します。それが無く、単に遅くなっているだけであるとわかれば、ほぼ経過観察となります。
子宮筋腫が見つかった場合は、それに合わせての治療になります。
自分の変化を見逃さないように
閉経とは女性にとって大きな節目であり、体調も大きく変化するときであることがよくわかりました。
また、ある日突然に起こるというよりは緩やかに閉経へと向かっているのだと感じました。
日頃から体の変化に心を配り、自分の変化を見逃さないようにして閉経や更年期とゆっくり向き合っていけるといいですね。
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