妊娠すると血圧が変化?
2017/11/15
妊娠すると体が様々な変化をしていきますが、血圧も変化もそのひとつです。
妊娠して産婦人科へ健診に行くと毎回血圧を測定しますが、それだけ妊娠期間に気を付けなければならない項目ということです。
高血圧過ぎても低血圧過ぎてもよくないので注意しましょう。
今回は妊娠して変化する血圧について紹介します。
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妊娠中の血圧の目安
妊娠中は赤ちゃんに栄養を送るために血液の量が増え、血液を送り出す心拍数や心拍出量も増加します。
そうすると、血圧も増加傾向がありそうですが妊娠中に増加するプロゲステロンというホルモンの影響で血管が拡張されるので血圧は下がる傾向があるそうです。
妊娠中の理想的な血圧値:120/80未満
正常値とされている血圧値:130/85未満
妊娠高血圧症候群の疑いがある血圧値:140/90以上
妊娠して産婦人科に健診に行くと毎回血圧を測定するので、自分の血圧がどのくらいなのかを確認するようにしましょう。
また、急いで移動した直後などは血圧が上がりやすいので、血圧を測定するときは落ち着いた状態で測定するようにしましょう。
妊娠中の高血圧:妊娠高血圧症候群とは
妊娠高血圧症候群は、以前までは「妊娠中毒症」と呼ばれていました。
妊娠20週以降、分娩後12週までに高血圧の症状や高血圧とタンパク尿を伴う場合に妊娠高血圧症候群と診断されます。
妊娠高血圧症候群は妊婦全体の3~7%程の方が発症し、特に妊娠32週以降に発症する場合が多いと言われています。
なお、重症化しやすいのは妊娠32週未満で発症する早期型の妊娠高血圧症候群の方だとも言われています。
妊娠高血圧症候群にはどのような症状があるの?
妊娠高血圧症候群には様々な症状があります。
母体の症状としてはむくみや頭痛、子癇発作(しかんほっさ:痙攣や意識障害のこと)、脳や肺などの機能障害が生じます。
母体だけでなく赤ちゃんにも発育不全や機能不全、常位胎盤早期剥離が生じ最悪の場合、胎児死亡に至ってしまうこともあります。
妊娠高血圧症候群の治療について
妊娠高血圧症候群は出産すると症状が回復に向かうので、妊娠高血圧症候群と診断されて胎児が分娩できる状態であれば分娩誘発や帝王切開で出産を促す場合があります。
まだ分娩に至るほど胎児が成長していない場合は出来る限りお腹の中で成長させなければならないので重症の場合は入院して投薬や食事療法がおこなわれます。
症状が軽度であれば入院はせず安静にしてストレスを避け、食事療法や生活習慣を改善することで様子をみて症状が落ち着けば普通に分娩することも出来ます。
妊娠高血圧症候群の予防について
妊娠高血圧症候群はまだ原因がはっきりしておらず、確実な予防方法はありません。
しかし、発症しやすい条件として初産や高齢出産(40歳以上)、元々肥満や高血圧気味だったり母親が妊娠高血圧症候群になったことがあったりする場合などがあります。
この条件に当てはまったからといって必ず妊娠高血圧症候群になるということではありませんが条件に当てはまる場合は注意しましょう。
低血圧の場合は問題があるの?
妊娠中に高血圧になった場合の危険性について説明しましたが、妊娠中に低血圧過ぎる場合も注意が必要です。
妊娠中に低血圧になり過ぎるとむくみや疲れやすくなるなどの症状があるだけでなく貧血になってめまいを起こし、転倒してしまう危険性があります。
妊娠初期はつわりになって生活習慣が乱れたり水分が取れなくなったりして血圧が低下しやすくなり、妊娠中期以降は大きくなった子宮に血管が圧迫されて血液の循環が悪くなることで血圧が低下しやすくなります。
また、妊娠中は血液の量は増えますが血中成分はそこまで増えないので貧血になりやすいと言われています。
低血圧を予防・改善にはどうしたらよいの?
低血圧を予防・改善するためには水分をとり、バランスの良い食事を3食きちんと食べること、睡眠をしっかりとるなど生活習慣を整えることが大切です。
妊娠初期のつわりの時期などは食事や水分をとるのも辛い場合がありますが、口を湿らすくらいからでも良いので少しずつ水分だけでもとるようにしましょう。
貧血気味の場合は鉄剤が処方される場合もありますが、食材からも鉄分を摂取できるように食事のメニューを改善してみましょう。
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が体内に吸収されやすい特徴があります。
ヘム鉄を多く含む食品はカツオや牛肉、いわし、卵黄などがあります。非ヘム鉄を多く含む食品でも鉄分の吸収を促すビタミンCやたんぱく質などと一緒にとれば効率よく吸収できます。非ヘム鉄を多く含む食品にはヒジキやほうれん草、豆腐や納豆などがあるのでこれらをフルーツや肉、魚と一緒に食べると良いでしょう。
血圧に注意して妊娠期間を過ごしましょう
妊娠中の血圧変化について説明しましたが、参考になりましたでしょうか。
妊娠前は血圧を意識していない場合も妊娠中は少し気を付けて変化を見ておくようにしましょう。
そして定期的な妊婦健診をしっかりと受診して血圧測定や尿検査を受けていれば、病状の早期発見に繋がり早く適切な治療を受けることができるので妊婦健診は忘れず受診しましょう。
特に妊娠高血圧症候群は早期発見が重要なので定期健診までまだ期間がある場合でも頭痛やむくみが頻繁に起こる、子癇発作など気になる症状が出た場合は早めに産婦人科に相談しましょう。
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